NLPとは

清浄華院カウンセリング研修会・NLP・京都・資格

1.NLPとは 2.日本に於けるNLP 3.カウンセリングの歴史 4.セラピーとカウンセリング

 

1.NLPとは

NLP(神経言語プログラミング)は、米国のリチャード・バンドラー、ジョン・グリンダーの二人を中心に開発された実践的なコミュニケーションツールです。現在、欧米を中心に世界的に広まりを見せています。
また、ビジネス、教育、カウンセリング・セラピーなど、さまざまな分野で活躍する人たちが、このNLPのツールを使用し、実践しています。

 

創始者の二人は、当時アメリカでは著名な3人のセラピストをモデルに、言語パターンを中心にしたコミュニケーションスキルを開発しようとしました。その3人は、家族療法のバージニア・サティア、ゲシュタルト療法のフレデリック・パールズ、催眠療法のミルトン・エリクソンです。バンドラーとグリンダーは、彼らの言語・非言語のパターンを分析、研究していくうちに、この3人には特徴的なそれぞれのパターンと、共通するパターンがあることに気づいたのです。

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創始者の二人は、この成果を抽出分類して、誰もが使用可能で、かつ効果的なコミュニケーションツールへと発展させました。これによってNLPは、特定のセラピストのコミュニケーションパターンというレベルから、他者とのコミュニケーションを必要とする全ての人々、分野へとそのひろがりを見せ現在も多くのスキルを開発させながら発展し続けています。

また、開発国の米国を始め、多くの国においては、NLPの開発者やトレーナーたちが、それぞれ独自のスキルを開発しながら特徴あるNLPが創出され続けています。日本でもNLPが広まりをみせ、多くのトレーナーたちが自分たちの感性にあった形でNLPを開発しながら普及に努めています。

 

2.日本に於けるNLP

日本には『和魂洋才』という言葉があります。それは、日本人としての大切な部分は失わず、役に立つものは外国のものでも、どんどん吸収するという考え方です。日本は明治以降多くの文化や技術を海外から吸収してきました。戦後では、自動車産業の成功パターンはこの『和魂洋才』の顕著な成功例でしょう。吸収し、それを使いこなし、やがてよりよいものを作り出していくことは、われわれ日本人の感性であり、日本の文化的土壌でもあります。

NLPが日本に定着し、多くの人にとって真に役立つコミュニケーションスキルになるためには、日本語のもつニュアンスや、日本人の感性や感覚、さらには日本的な思考パターンというようなものとのすり合わせが今後必要になり、日本人の感性によりマッチしたスキルとして発展していく必要があるでしょう。

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NLPが日本に入ってきて20年近くなりますが、これからがNLPの真価が問われる時期だといえます。われわれ日本人にとってより使いやすい、日本人のためのNLPを創成する時期だともいえるでしょう。そのためには、多くのNLPトレーナーや、現場でNLPを使いこなしている方々とともに、創意工夫を積み重ねながら、既存のスキルの検証、新たなスキルの吸収、開発に努めていくべきだろうと思います。

NLPは、NLP単独での使用よりも、他の技法や体系と合わせて利用するほうが、その存在意義を高めるものだと思います。私自身は、カウンセリング・セラピーの現場で、このNLPを活用し、利用してきました。メタモデル、ミルトンモデルに代表される言語パターンスキルの一部は、クライアントとのセッションにはなくてはならないものになっています。

このような観点からNLPを、カウンセリング、セラピーの分野でいかに応用し、カウンセリング、セラピーの可能性を高めていこうという思いからNLPカウンセリングは生まれたものです。

 

3.カウンセリングの歴史

カウンセリングは、20世紀初頭のアメリカでの職業指導、適性検査、精神病院での患者の人権尊重運動などから生まれたものといわれています。それは対象者の話をよく聴き、適切なアドバイスをするための方法がカウンセリングでした。

カウンセリングは、職業・進路指導と教育の場面で発展しながら、社会生活が困難な個人の問題解決やサポート、精神的健康増進のためのメンタルヘルスを目的とするものへと、その対象とサポート範囲は拡大・発展してきた歴史があります。  そして、カウンセリングが発展する歴史の中で対象としていたのは、あくまでも現実的な社会適応や具体的な問題解決が目的でした。

したがって、当初は、こころの病や深刻なパーソナリティの問題など、精神医療の領域の問題は、カウンセリングの対象ではありませんでした。 しかし、現在では心理カウンセリングとして、心の問題に関わることが主になってきた感があります。

心の問題への有効なアプローチとしてのカウンセリングを提唱したのが、カウンセリングの父とも言われるカール・ロジャーズです。 彼は、カウンセリングをクライアント中心にとらえ直し、カウンセラーが、クライアントとの関係の中で、クライアント自身の内面を自由に吐露できる状態を作り続ければ、クライアントは、気づきを得て、自らが変化するプロセスを歩むようになるとしました。

ロジャーズは「受容・共感的理解・自己一致」をカウンセリングの3原則とし、カウンセラーがこの原則に沿って、クライアントの話す内容を傾聴することをカウンセリングとしたのです。

この技法は、クライアント中心療法とも言われ、カウンセラーがクライアントにアドバイスをしたり、心理分析的な介入をすることなく、クライアントの存在を尊重しながら傾聴を続けることにより、自然な形で、クライアントに必要な気づきがもたらされるとする考えです。そのため、技法よりもカウンセラーの心的態度、人間としてのあり方に重点がおかれる傾向があるといえます。

日本では戦後から学校教育にカウンセリングの導入が試みられ、ロジャーズの方法が採用されたことによって、日本でのカウンセリングはロジャーズの方法が一般化していきます。

 

4.セラピーとカウンセリング

本来「こころ」の問題を癒す心理療法といわれるものは、神経症=ヒステリーの治療から生まれたもので、19世紀のフロイトによる精神分析に遡ることができます。フロイトはそれまで原因がわからなかった神経症の症状が、個人の深層の意識に潜む、さまざまな感情や記憶にあるとし、それらの感情や記憶が個人の意識から抑圧されたり、分離されたりすること。つまり、無かったことにされていると、その感情や記憶は、どこかで個人の意識の領域に出てこようとするものだと考えました。

しかし、それらの感情や記憶は、時に心の傷(トラウマ)としての記憶であることが多いため、意識の上にのぼらせることは、その本人に苦痛を伴わさせるものとなります。すると人はその心の傷(トラウマ)でもある体験の記憶や感情を再体験することを避けようとします。この避けるための努力として、その本人には全く気付かれないレベルで、さまざまな症状を持つに至ると考えるのです。これを一次的利得とも呼びます。

つまり、その過去のトラウマに直面化しないように、他の心的葛藤や、身体的症状に置き換えてしまうというのです。症状とはある意味、その個人の直視できない過去の体験の記憶を、想起させないための防衛的措置でもあるわけです。ですから、さまざまな心的な症状は、本人の意識的な思いとは別に、本人のためになっていることになるわけで、それは無意識下で働き続けるプログラムのようなものといえます。

クライアントは、自らの症状を改善するために自身の無意識に存在するトラウマ、またはトラウマ的な体験と向き合わねばならないのです。それは簡単なことではありません。多くの場合、それらの作業には心的な苦痛を伴います。また、症状がもたらす二次的利得(症状・病気のおかげで得るもの)を手放すこともクライアントにとっては思わぬ障壁となります。

フロイトの時代、このセラピーの手法の中心は、催眠誘導による暗示によってなされていましたが、フロイトによる精神分析、自由連想法が創始されると、心理療法はセラピストとクライアントが対話をすることが中心となっていきます。
その後心理療法は、F・パールズのゲシュタルト療法、催眠、家族療法、またスピリチュアルなレベルにいたるまで、さまざまな技法、領域を取りこみながら進化しています。